スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

石像を探す

 中国の河北省滄県の南の河岸に、寄りかかるようにして大きなお寺がある。昔、大水が出た時に正面の山門が河に崩れ落ち、一緒に山門の傍に守り神として鎮座していた一対の大きな獣の石像(日本では狛犬)も同時に河底に落ちてしまった。

 十数年経って和尚さんが募金を集めお寺を修復したが、一対の獣の石像が無かったので探すことにした。河は流れがとても速いが、深さは人の背丈ほどしかない。

 和尚さんは石像は重いが水の浮力と急流によって下流に流されたと思った。それで人を雇い小舟に鉄の爪をつけた道具で下流10キロまで探したが見つからなかった。

 お寺で講義をしていた学者がこの話を聞き;「馬鹿か?」と嘲笑い;「木片じゃないよ石だよ、流れるものか!」「石は硬くて重いし川底の砂は軽くてもろい。従って砂に埋もれ、時が経てば経つほど深く埋もれる」と話した。皆はなるほど道理だと感心した。

 この話を聞いた一人の老船頭は「あの学者は馬鹿か?」と嘲笑した。

 船頭が言うには;「石は河のはるか上流に転がって行ったはずだよ」と話した。皆は「そんな事ありえない、お前こそ馬鹿か?」とてんで相手にしない。そこで、老船頭が地面に絵を描いて皆が分かるように詳しく説明した。

 石は硬くて重いし川底の砂は軽くてもろい。水が石に当たっても石は重くて動かないが、石の前面下の水は石によって左右に分かれ流れが速くなり、その分砂が持ち去られて穴ぼこができる。

 穴ぼこは時が経てば経つほど深くえぐれ、石は穴ぼこに倒れ落ち上流に向かって一歩進む。石はその新しい場所で再び同じ事を繰り返し、10年も経てばはるかな上流までさかのぼっていくのだ。「さあ、皆さん河の上流を探しましょう」と言った。

 皆は半信半疑だったが、上流を探すと驚いたことに数百メートル先で石像がみつかった。

 この話は「河中石獣」として中国では有名。「写真はこの原理を図解で示したもの」
isizou.jpg

{中国 中学生の国語}より
スポンサーサイト

テーマ : 歴史小説 - ジャンル : 小説・文学

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。