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物識りでもうっかり信用するな!

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 魯の国のある間抜けな男が、一本の長い竹竿を売りに城内へ入ろうとしたら、竹竿が城門の高さより長くて通れず、横にしたら今度は城門の幅より竹竿が長く通れなかった。

 男はさてどうしたものかと長い時間座り込んであれこれ考えていた。そこへ一人の老人がやってきて事情を聞くと;「わしはお前より年を食っている分、見識が広いよ」と言い;「なんと馬鹿馬鹿しい。真中から半分に切れば造作なく入れるだろうが!」と言って去っていった。

 間抜けな男は「なるほど」と感心し、のこぎりを借り真中から二つに切って、やっとの思いで城内に入れた。

 ところが城内では、そんなありふれた長さの竹竿なんか誰も買い手がつかず;「もっと長けりゃ買うのにな」と言う人が多く悔しい思いをした。

 この話は間抜け男の間抜け振りもさることながら、老人の見識振りをも一見もっともそうで間が抜けていているのを気づかせてくれる。

 世の中、良い話には必ず落とし穴があるので飛びつかず、ちょっとだけ先を読み、落ち着いて事を行うべしとのお教えか?    (なお、蛇足ながら城とは中国では街のこと)

{中国寓言故事}より  <担竹竿進城>
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テーマ : 歴史小説 - ジャンル : 小説・文学