忠、信あれど罪は受く

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 蘇秦という人は戦国時代(紀元前300年前後)に強大な秦国に対抗すべく、弱小の六国連合同盟を結成させた縦横家で、その舌先三寸で国王達を相手に渡り合った切れ者。

 この同盟によって15年余り平和が保たれたが、各国の諸条件が変化し、六国連合がほころびを見せ始めた頃、燕国の王が蘇秦に罪を与えようとした。

 燕王;「お前は忠でも信でもないわ。忠と信によって罪を受ける者などあろうわけがない」と言い、暗にお前は忠も信もないから罪を受けるのだと言うのだ。

 蘇秦曰く:「昔、単身赴任の夫の留守に妻が密通していました。夫がまもなく帰ってくると聞いて男が心配すると、女主人は私が毒酒を作ったから安心しなさいと言いました。

 女主人は妾から夫に毒酒を勧めさせました。妾は毒酒の事を主人にばらすと女主人が追い出され、もし言わなかったら主人が殺されるのが恐ろしいと考えました。

 そこで、わざと転んで酒を捨ててしまいました。主人はひどく怒って50ぺんもムチをくわせました。

 妾は転んだ事によって主人と女主人の命を助けましたがムチを打たれました。これは忠と信があったとしても罪を受けないとはどうして言えましょう。と言うと燕王は蘇秦を罪に落とさず、却って厚遇した。

{史記 蘇秦列伝}より   画像は蘇秦が六国連合同盟を成し遂げた時の様子
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テーマ : 歴史小説 - ジャンル : 小説・文学