天から銭を借りる話

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 大昔、中国の田舎に貧乏だが道義を愛する百姓の周さん夫婦がいた。ある時、周さんは畑作業で疲れ切り畔で横になり眠ってしまった。

 すると夢の中に天帝が現われ周さんを憐れみ「恵みを与えよ」と供の者に命じた。すると寿命を司る冥界の役人が閻魔帳を調べ、言った。

 この男の運命は今が盛りで上は望めない。ただ、張車子と言う者がいて、この人は銭一万貫を授かる運命になっている。ただ、まだ生まれていないのでとりあえずは周さんに貸すことにいたします。

 天帝はよろしいと言った。目をさました周さんは妻に話して聞かせた。以後、夫婦は仕事に精を出し一生懸命働くと働きに応じて面白いほど儲かってやがて蓄えは一万貫にもなった。

 これより先、張温という女が雇われ奉公にきていたが、いきずりの男と通じて身ごもり月満ちたので周さんに追い出された。

 その夜、女は軒先で男の子を産み落とした。周さんは憐れに思い粥を与え、名前をつけようか?と言うと女は天帝が現われ「張車子と名付けよ」とのことでしたと言う。

 周さんは以前の天帝の夢の話を思い出し、やっと悟ったのだった。わしの財産はこの子の物になるのだ!

 それ以後、周さんの家産は日に日に減り、張車子は大きくなって周さんよりも金持ちになった。

 写真は天帝

{捜神記 卷10}より
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