寒い雪の日は気が沈む

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  寒い雪の日は気が沈む。昔、よく敦賀とか松江へ仕事で行った。列車が脊梁山脈を越えると突然そこに雪国が現われ、あの川端康成の世界を思い出したものだった。

  最近あるブログで雪見旅行記を読んでそんな事を思い出した。滋賀木の本の小学校のグランドで腰まで浸かって歩いた長男の嬉しそうな顔。

  今津では一家四人が滑りながら雪の田舎道を往き、途中猛吹雪に遭い、駅まで逃げ戻ったものだ。それでも子供達はちっちゃなスキー板をはき、嬉しそうに遊んでいた。

  私は小学校3年生くらいの時、真冬に父親に連れられ福井県大野の実家へ行った。背丈より高い両側の雪壁の真ん中の小道を何回も転げながら、雪に埋まった藁ぶきの農家まで辿り着いた。

  雪は、夢かまぼろしのように遠い遠い遥かな世界にいざなってくれる。窓の外に小雪がちらつくとそんな記憶が浮かび、心がやわらかくなり、とっくに逝った父母を思い出す。

十何年か前のある日、珍しく雪の降った雲南で、先生が日本の「故郷の歌」を歌ってほしいと言った。歌い出して「いかにいますちちはは…」の段にきて突然歌えなくなった。

  先生は怪訝な顔をされたが、涙が出そうになってこの先は歌えないと言ったら、先生はようやく納得され「対不起、対不起(ごめんなさいの意)」と繰り返し言われた。懐かしい。

  寒い雪の日は気が沈む。つい昔を思い出し、まぼろしの世界に墜ちてゆく。この気分の甘美なこと。
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テーマ : ひとりごと - ジャンル : その他

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